いつもは仕事帰りに練習をしているのだが、
ここ数日は帰りが遅くなるので、朝のうちに練習しようと稽古場に行った。
・・・?
雨戸をあけようとしたら、
ガラス、割れてる!!!
鍵のところが!!!!
空き巣じゃ!
まずは110番・・・の前に、
私的貴重品があるかどうかを確かめた。
まずは、自分の楽譜。
あと、楽器。
なぜ、楽譜が先かというと、
こればっかりは同じものが手に入らないから。
もちろん、楽譜は手に入るけれども、「自分の」楽譜はひとつしかない。
自分が間違えやすいところへの印とか、
自分にしかわからない緩急の印とか。
邦楽の楽屋に入る泥棒さんは、
着物姿なのだそうだ。
そして、象牙の撥などの貴重な道具を盗って行くという。
泥棒さん、残念!
私は象牙の撥は持っていません。
鼈甲の撥も狙われる、と聞いたけど、
それも無事。
まあ、スレスレの撥なので値打ちはありません、他人にとっては。
それより高価な楽器も無事。
楽器は使ってしまえばそれで一気に値打ちがおちるのでこれを盗っていっても労力の無駄ね。
岩絵の具も無事。
もともとそんなに高い絵の具はそろえていない。
盗られたのは、
お菓子。
これは私のじゃない。
そうか、
お菓子のほうが、
あの楽器より、
あの道具よりもずっと値打ちが高かったわけだ、泥棒さんにとっては。
まあ、私の練習スペースはあまりにも混沌としているから、
泥棒さんが入る前から泥棒さんが入ったかのような混乱っぷりだったけどね。
いいの!
私だけのスペースなんだから、私が秩序を把握してたらいいんです。
価値観の違い、
世界観の違いを感じたね。
そのあと、
警察さんに連絡。
なんか、いっぱい、ひと、来た!
初めて指紋採取もしたよ。
左手採取後、
「水仕事とかしてます?」
って聞かれた。
指紋が擦れていたから。
うん、それは楽器を使うからだと思う。
私の左手の指先はとても固い。
筝の押手、
三絃の按指、ハジキなど。
小指以外はかなりの使役っぷりだからね。
そうそう、指紋採取と同時に手のひらの模様も採取されたよ。
ふふふ、私の素晴らしい二重生命線も採られたわけだ。
↑これ、割られた、てか綺麗に切り取られたガラス。
家の内側にはガラスの破片が入っていなかった。
この空間から手を入れて鍵をあけたみたい。
お菓子は食べたあとがあった。
飴ちゃんのゴミが落ちていたり。
私とは価値観の違う泥棒さん。
私なら、ゴミをそのまま落として行ったりしないよ。
そうやって、価値観の違い=世界観の違いがあるから、
私の重要とするものは無傷だった。
そういう現実。