つばき洞生活ノート

つばき洞生活ノート

BBSH(Barbara Brennan School of Healing)卒業生による日々の記録です

絵描きのおじいちゃん先生

(2/7の続き)

大人が「大人」と言った年齢になっても勿論、皮膚の症状はなくならず、

一方で、

ステロイド剤ってどうなん?

世間でそういう風潮が強くなってきていました。

地元の病院に月1回、皮膚科を得意とする医師が診察にくるというので、

学校の授業をぬけて診察に行きました。

ステロイド剤に対する不安を話すと、

「一度、ワセリンによる保湿だけにしてみますか」

とそのおじいちゃん先生はあっさりOK。

経験のある、その分野を専門とする医師に一般的な治療(私の場合ステロイドを使う)を半ば拒否したとき、

多くの場合はなかなかひどいことを言われると聞きます。

でもそのおじいちゃん先生は、

ちゃんとこちらの話をきいて、考えをいったんは受け容れてくれた形をとりました。

その時はそれが普通と思っていましたが、じつはなかなか珍しい展開だったと最近は思います。

炎症もそれほどひどい状態でもなかったのでおじいちゃん先生は大丈夫と思ったのかもしれません。

そのおじいちゃん先生は日曜画家さんで、美術の授業で油絵を描いていた私は少し親しみをおぼえました。

油彩で使う油が揮発したときにそれは皮膚に影響するか?と質問したところ、

それはないと思う、と教えてくれました。

おじいちゃん先生はコンビナートをモチーフに使うと話していました。

コンビナートは我々の地域では公害を連想させる存在です。

人々がちょっと触れたくない部分。

だって、

公害もおこしたけれどもその町の発展はコンビナートなくしてはあり得なかったから。

そのコンビナートの恩恵を受けている人もたくさんいたから。

いや、

我々皆がそこを通して生み出されるもので快適な生活を送ることができるわけですから、

完全な悪ではないのです。

おじいちゃん先生は、だからこそコンビナートを描くんだと言っていました。

そういう人間の二元性を象徴する存在をモチーフにしているということは、

そのおじいちゃん先生はその部分を真っ正面からみつめようとしてきた人だったのかな、と今になって思います。