こちら、
気がつけば、20年近くの付き合いになる長財布です。
特別に物持ちがいい方ではないのですが、
時々、私の持ち物の中には20年、30年選手がいます。
そのなかの一つ。
学生時代に買ったギャルソンパース。
近所のフランス系雑貨店の目玉商品でした。
ボタンのついた小銭入れの部分と、
6室に分かれた蛇腹状のポケットから成っています。
同じものが有名なセレクトショップで販売されていた、
と職場の上司から聞いたのが3、4年前。
その値段を聞いたら明らかに私が購入した時の数倍。
「その財布、使わなくなったらください」
と上司は当時おっしゃっていた。
さんざん、私に使い倒され、
ときに篳篥用の緑茶をぶっかけられてしまったことさえあるこの財布ですが、
それでもいい、と。
当時はこの財布で満足していたし、
かわりになる程気にいるものも見つかっていなかったので今まで使ってきましたが、
いよいよ上司が退職するぞとなったときに、
タイミングよく心惹かれる財布に出逢いまして、手放すことにしました。
20年ほど使っていてもボタンの裏を抑えている革の接着剤が剥がれているくらいで、
それ以外の破損はなし。
こういう機会がなければ私はこのお財布を何十年も使っていたかもしれません。