地歌: 端歌もの
作詞: 久田水光
作曲: 松浦検校
三: 二上り→ 三下り
筝: 平調子→ 中空調子
名にし負う、その名や四方に高尾山。
実に深き色々の、木々の梢も濃く薄く、色付け初めて艶めかし、徒し心は山中の、妻恋う鹿に鳴き立てられて、少しは恥の初紅葉、身に沁む朝の霧衾、被き立てれば寝乱れ髪の、解し情けは薄紅葉、思い初めたる深谷の底の、底の心は人知れず、書いて見んにも神無月よ。
再び花の咲き匂う、桜紅葉の散り易き世に、松は時雨の染めかねて、蔦の紅葉を千歳の色と、枝に幾秋契るらん。見渡せば峰も麓も皆染め成して、錦を掛けし山の夕映え。
とても短い曲です。
でも、
歌が難しいのなんのって。
神仙の二上りから始まるのも珍しい。
筝になるとさらに歌を付けにくくなるらしいですが、そこはまだこれから。
三絃で歌を入れてからのことです。