白川の清きに魚のすみかねてもとの濁りの田沼こひしき
白川=白河藩。寛政の改革の主導者・松平定信の封せられていた福島県の白河。
田沼意次によるいわゆる「賄賂政治」のあとに大老として幕府の改革を推し進めた松平定信の「綺麗すぎる」やりかたを皮肉ったもの。
寛政の改革は綺麗=理想的だけど、しんどいわあ
っていうお話。
松平定信=守国公は個人的に馴染み深い偉人でして、
いまさらながらこの狂歌が色々な意味で面白い。
寛政の改革以外の定信公のエピソードは誤解を恐れずいうなら、変態です。
もう、ぶっ飛んでる。
特に若い頃=寛政の改革をがんがんやっていた頃はとんがっていて大変だっただろうな〜、と思います・・・いやひょっとしたら本人はそんなところはとっくの昔に超越しちゃっている、あるいは引っかかりもしていなかったのかも。
でもね、
いや、
だからね、
とても魅力的なの。
絵画
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どれにも通じていたし、
周りにそういう人材が集まってきた。
編纂した『集古十種』は定信公を象徴する作品だと思う。
情報の宝庫。
情報を集めると言っても集め方が「殿」。
あなたしかそれ、できないよね・・・。
それをどう使うのは出会った「私」であり「あなた」次第。
実際、彼自身は生涯いちども私の地元に足を踏み入れたことがないにも関わらず、
「藩主」だったこともないにも関わらず、
当地を「楽翁の里」と称する刷物をしばしば目にします。
それを是とするか非とするかも同じこと。
定信公の墨跡は
殿様らしい、なんとも堂々としたものです。
意外でした。
もっと病的なものを期待していましたから。