花冷えのなか奏楽でお邪魔した神社の桜は、
例年になくゆったりと咲き進んでいてくれました。
ヤマザクラ系で花も大きい上に八重系なので、
見頃がソメイヨシノよりもずっと短いのです。
自分が箏やら三絃やら、
笙を吹き篳篥を手にする機会が多いので、
小さいお子さんの習い事について尋ねられることがあります。
これは私の経験からしかお伝えできないのですが、
女子はピアノとクラシックバレエを、
とお勧めいたします。
ピアノはそれ一台でオーケストラを演ずることができると言われております。
筝、三絃、笙、篳篥、どれも非常に制限の多い楽器です。
筝の場合は、
13の絃のなかで、押し手、引きがあってもその中でしか音程を設定できません。
楽器の形状と人間の自然な身体のあり方をすりあわせて何とか形になるのが20絃の琴と聞いたことがあります。
それ以上のものもありますが、
演奏者に負担があったり、その逆も。
三絃は筝よりかは自由度が高いですが、やはり限界があります。
笙に至っては、単管で出る音は15音。
そのうちオクターブ関係にあるのが5組10本。
これだけで旋律を奏でるのは不可能とまではいかなくてもとても困難です。
笙の独奏曲は古典で6曲のみ。
篳篥も2オクターブ弱しかカバーできない楽器です。
しかし、洋楽器でも限界のある楽器がほとんどで、
ピアノの音域の広さと表現の豊かさが例外なのではないかと思います。
三絃や篳篥などある程度音を作らないといけない楽器の場合は特に、
自分の中の音のモノサシが重要な役割を果たします。
音を作るのはモノサシを獲得しての次の段階なのではないかと思うのです。
クラシックバレエの場合は体の使い方、体との繋がり方を自然と、美しい音楽にのって身につけることができるのでやっておいて損はない、と思っています。
音感と体の使い方は小さい時に身につけた方がいいように思うのです。
そんなんで、
ばりばり和楽器をやっている私のところにに小さいお子さんがいらしたら 、
まずはピアノとバレエを習っておいで。
大きくなって、
それでもお箏が弾きたいなら一緒にやろうよ。
そう言ってしまうかもしれません。