作曲:石川勾当
筝手付:八重崎検校
三絃:本調子→二上り→高三下り
筝:半雲井調子→平調子→中空調子
されば都の花盛り、
大宮人の御遊にも、
蹴鞠の庭の面、
四本の木陰枝垂れて暮れに数ある沓の音、
柳桜をこきまぜて、
錦を飾る諸人の華やかなるや小簾の隙洩れ来る風の匂い来て、
(手事)
手飼いの虎の弾き綱も、
長き思いに楢の葉の、
その柏木も及びなき恋路はよしなや、
これは老いたる柳の色も狩衣の風折も、
(手事)
風に漂う足下の、
たよたよとしてなおやかに立ち舞う振りの面白や、
実に夢人を現にぞみる、実に夢人をうつつにぞみる。
「そいうことで・・・」
から始まるとは、なんつう荒技。
「八重衣」「融」とともに石川の三ツ物と言われます。
謡曲「遊行柳」のクセの部分を歌詞に用いているそうです。
謡曲に取材した曲は楽しい曲が多くて好きです。
前歌の最初のほうはあまりやらない、と聞いたような。
もったいない!
そこがあるから良いんですよ。