毎年この時期は2月の定期演奏会の準備。
大寄せの演奏会なので出演は1曲で持ち時間は13分。
とはいえ、毎年「攻め」な選曲の我が社中の今年の演目は『萩の露』。
三絃の超絶技巧箇所は時間の都合で演奏しないことになるも、
それ以外のそこここで演奏し甲斐のある部分が盛りだくさんです。
三絃は三の絃の調絃替えが2回(下げてからの上げる)あり、なかなか大変。
今日は先輩、後輩、師匠とともに最終チェックです。
お互いがどこで譜面をめくるか
思い込みで間違った音を出していないか
緩急の微妙なところ
などなどを確認します。
この『萩の露』や、目下取り組んでいる『虫の音』は、
歌詞は夫、恋人の足が遠のいた女性の心情をどろどろどろ歌っている内容。
一方で虫の音を表現する多様な器楽部分で構成されている、
ザ・大和心な作品。
この手の曲は勢いがあって演奏していて楽しい傾向もあります。
近世まではこのタイプの曲が多く、かつそれらは名曲でもあるのですが、
明治時代に入ると「爽やか系」が目立ってきまして・・・
たとえば
「春の野で草を摘む少女とその少女の帰りを家で待つ小鳥」
とか。
それはそれで美しいのですが、
なんと申しますか・・・物足りない!
いえ、旋律自体はとても美しいのですよ。
弾きでもありますし。
でも、なんか物足りないんだ!