つばき洞生活ノート

つばき洞生活ノート

BBSH(Barbara Brennan School of Healing)卒業生による日々の記録です

不完全さを迎え入れる

ステロイドを含む処方薬への抵抗を感じられる方は多いし自分もそうだった。

 

この世の大概のものは不完全であることを忘れがちなので、

ひとたび不完全さに気付いてしまうと異常反応してしまうのが人間なのではないかと思う。

 

昨年の今頃、何度目かに犬子の病のプロセスに付き合うと肚を括ったときに、

自分がくたばっている場合ではない

と思った。

 

炎症は心を蝕む。

だから炎症を可能な限り取り除いた状態で健全な判断ができるように。

 

これも今の治療法(標準治療の半量ほどとはいえステロイドを使う)に戻った大きな理由のひとつ。

この判断は大変よかったと思っている。

 

また、犬子の病の進行を遅らせるためにはステロイド+抗生物質が最も効果的だった。

 

このコンボは痛みを取り除いてくれたらしいので、

犬子が最後まで意思を伝える余裕を保てたことに寄与したと思っている。

 

ステロイドがなければもっと早くに別れることになっただろうし、

私も自分の症状にかまけて必要な処置のための判断と行動ができなかったと思う。

 

度重なる絶望的な現実の告知に向き合うにあたっては、

その現実を踏まえた上でどのような対応が最も犬子のQOLを維持できるのか。

 

最後のほうは

なるべく長くではなく、なるべく痛くなくて苦痛がないように

と獣医さんにお願いしていた。

 

私には私の人生があるし、

犬子にとってもそれは同じで、

お互いがベストバランスでどう混じり合うかをずっと探求する感覚。

完璧を求めるのではなく、ただひたすら、

それがどれほど残酷に響こうともその現実に調和する方法を探る方向を向き続けた。

 

犬子が逝ってしまって2週間経つけれども、意外と写真をみるのは平気。

火葬が終わった翌日から犬小屋周りの片付けを始め、

来週には消毒をしてもらう手筈になっている・・・これは警察犬の委嘱を長年受けていた方のアドバイスによる。

 

寂しいとは思うけれどもやはり、

「お互いよう頑張った!」

という感じの方が強く、後悔は全くないのだ。

 

悲しい、つらい、みたいな感情を持つのは、

ひょっとしたら関係性に少々距離のある人なんじゃないかな。

 

みっちり付き合った者としてはむしろ晴れやかな気持ち。