筝、三絃は舞台での演奏のほか、今はお休み状態ですがお弟子さんがお稽古に来てくださっていたこともあります。
雅楽楽器に関しては、神社の儀式での奏楽を主に活動しています。
どちらの活動も、この新型コロナウイルスの感染拡大によって一時的に休止せざるを得なくなりました。
舞台に出るのが演奏の目的ではなく、純粋に音楽を楽しんでいたはずなのに、この状況下になってなぜか音楽を楽しむ気持ちがどんどんなくなっていきました。
これは私だけではなく、師匠のところにお稽古に来る人たちの多くがそのような気持ちになっていたそうです。
私の場合はそれ以外にも理由もあり、楽器にほとんど触ることができなくなりました。
全く楽器に触らないで過ごす日などない20年を過ごしてきたのに、です。
心中は焦って練習をしなきゃ、と思うのに体がついてこないのです。
このままではいかんな。
焦りと不安ともどかしさの入り混じった感情に圧倒されながら過ごしていましたね。
しかし、思うに、
三曲=筝、三絃、胡弓にしろ雅楽にしろ、時代の流れとともに演奏される空間が変遷をたどってきました。
今はホールの舞台上で演奏されることが多く、
三曲に関して言えば、
元々遠鳴りしない性質をホール仕様に近づけるために糸の素材を工夫したり、反響板のついた立奏台を使うことがあります。
ホールでの演奏会はできても、入場者数の制限をせざるを得ません。
そろそろ新しい発信方法を考える機会なのだと感じます。
以前から海外在住の友人と音楽で一緒になにかやろう、という話はありました。
これまでの歴史のように、演奏する場所を開拓し、各々の楽器の良さを残しつつ、新しい場所に適応する方向を向く時期が今なのかもしれません。