ご葬儀には盤渉調を使う、というのは近年のとりきめだそうです。
平安末期の記録では六勝寺のうちの一つの(忘れ)境内施設落慶法要で
盤渉調が演奏された記録が残っています。
それでも「さすがにこれはご葬儀専用」という曲は3曲存在するそうです。
盤渉調「白柱」と「竹林楽」、もう一曲かなりマイナーな曲があるようです
・・・こちらも曲名忘れ。
だからと言ってわざわざ盤渉調をおめでたい席で選ぶのもいかがなものか、と。
中には近年の慣習から「盤渉調=お葬式」と思っている方もいらっしゃるわけで、
そこをわざわざ、
「いやそれは違いまっせ」と押し通すのもおかしな話。
葬儀会社の方もあまりご存じない場合もあって、
神道式のお葬式で待ち時間等に流す曲として平調の越殿楽を選んでしまっている場面に出会したこともありました・・・平調越殿楽は「The おめでたい曲」ですのでこれもまずい。
今週末の神葬祭のなかでは笙が単独で演奏する場面が想定されます。
おそらく暗闇の中での演奏となりますので、
平調の調子の暗譜部分をここ数日のうちに増やしておこうと思っています。
盤渉調の全てがご葬儀用の曲ではないのと同様に、
平調の全てがおめでたい席用のものではないそうで、
調子なら今回のような場面で使っても良いとのことでした・・・平調調子のなかには「盤渉調音」が含まれていますしね。
平調の調子を習っている時にこの話題に触れた折には、
「まあ、しばらくは私がこれをご葬儀で吹く機会は殆どないと思いますよ〜」
なんて、師匠と話していたのに。