ここ数年は月イチになってしまっている箏、三絃のお稽古のために上洛。
今日は来年2月の定期演奏会用「萩の露」の合奏と「初秋」のおさらい。
習ったばかりの「萩の露」は三絃で歌を入れるのが精一杯で箏まで練習できないまま
=箏の動きの予想がつかない状態で合奏してもらったら、
予想をはるかに超える「ヒリヒリ」具合で、
久しぶりに、極端な話ではなく”合奏で命を削られる”感じに陥り楽しかった・・・変態炸裂。
同じ合奏でもこの「ヒリヒリ」感は私が地歌に従事するときのみに出会う独特のもので、
雅楽モードのときには無縁の不思議。
ヒーリング志向の方々におかれましては真逆のベクトル。
そして、古典曲の大曲度とこの「ヒリヒリ」感は比例します。
ここからは少々真面目な話。
ハード、ソフト両面において地歌業界は危機的な状況です。
かつての「嫁入り道具」としての役割はとうの昔に終えてしまい、
インスタントさへの需要に拍車のかかる昨今において、
ときに、基本中の基本の曲を理解するのに10年以上が要される我が業界は、
拡張にあたって逆風しか吹いていない様に感じられる。
しかし、
風向きは変わるときは必ず来るはず。
それが「時代」という有機体の健康的なあり方だから。
そのときが来るまで、
先人たちが血の滲む思いで伝えてくれた作品を習い、この身に落とし込みたいと思う。