私が若かりし頃は所謂、海外高級ブランドを持つことが流行していたように思います。
各々の製品には職人のこだわり、コンセプト、会社自体の歴史と信用が織り込まれていて、
素晴らしい、美術作品とも言えるようなお品ばかりです。
きっと私は作家さん、職人さんと直接にお話ししたいのでしょう、
日常で身に着け、手にするものについては、
しばしば好みの作家さんとのお話しして制作依頼することがあります。
少し前になりますが車で山の方へ。
以前に名刺入れをお願いした工房へ向かいます。
今回は長財布をお願いしに。
あらかじめホームページで既製品のなかから好みの形と、
どの部位にどの色の皮を使ってもらうかのイメージを持って出かけました。
それでも、丁寧にさまざまなオプションを伝えてくださいました。
結局、最初に決めていた形でお願いするところに着地したのは、
他の形を見せてもらってやはり「これ」が良い、と確信できたからです。
このセミオーダーの過程で、
現在使っている長財布を取り扱う私の様子をご覧になった作家さんから、
左利き用にお作りできますよ、とご提案がありました。
最初は「?」。
私がお財布を扱うときに左利きモードだったのに作家さんが気づいてくださったのです。
私は基本、右利きなのですが、仕事の種類によっては左利きになり、
お財布の開閉ではその左利きが発動していたようです。
今使っている長財布は利き手に関係のない構造ですので不便さを感じることなく、
ゆえに自分はお財布の扱いに関しては左利きであることにも、
この時まで全く気づいていませんでした。
改めてオーダー控えを眺めるに(控えは右利き用デザインで書いてある)、
このことを教えてもらわないまま右利き用で作ってもらったら、自分にとってさぞかし使いにくいお財布になっていただろうな。
作家さんの観察力よ!
そんなこんなで、できたオーダー内容↓
細かいところまで色を選ばせてもらえます。
それぞれの革の経年変化も見せてもらって、
まだ見ぬお財布の何年後かも想像して色を決めていきます・・・楽しい。
実際に使う革と縫い糸の色↓
仕上がり予定は7月下旬の予定だそうです。