以下の続きです。
今回つくったライアーの弦数は51あります・・・普段はMaxで17の弦しか扱っていないから3倍の数ね。
笙の竹の数も17本ですが、実際に音が鳴るのは15本。
「17」は奇数の一桁の最大数「9」と偶数の一桁の最大数「8」を足した数ですので、
特別に扱われてきました。
「十七条憲法」はまんま17ですし、
「御成敗式目」は17の3倍の五十一条で成っているのは「17」という数字にこだわったからと言われています。
弦数は多いですが、連続して2本か3本の弦に同じ音高の音が充てられているので、
ハープやピアノのように音の数が多いわけではありません。
調弦はチューニングハンマーをピンに嵌めて行います。
17絃はハンマーで調絃するので親近感。
写っている青いのがチューナーです。
当然、弦の張りたては不安定で、かつその状態は1ヶ月くらい続くそうです。
だから毎日調弦をする必要がある、と。
調弦は慣れていますが、これまで付き合ってきたのが絹かテトロン糸。
金属糸ははじめましてでやや勝手が違います。
(この金属糸もこのライアー用に特別に製造してもらっているそうです。)
51の弦を調弦するのは、最初のうちこそ大変でしたが、
弦を張ってぼちぼち10日も経つので伸び加減が安定してきて調弦にかかる時間も随分短縮されました。
今回制作したライアーは音の配置にインド音楽のラーナからサラスヴァティー(弁才天)の音階を充て、
その中に528Hzの音が奏でられるように構成されている関係から、
チューナーは444Hzに合わせて調弦していきます・・・ソルフェジオ音階のとある音と444Hzでとったとある音が一致するので基準が444Hzなのだそうです。
普段は雅楽が430Hz、地歌が442Hzでとるので随分と高めに響きますね。
シュタイナーによるライアーの基準は432Hzで、
シュタイナー教育に長年携わった職人さんの考案したライアーですので他の種類の多くは432Hzを基準としています。
不思議なのは調弦しているととてもゆったりした気分になり、
そこから奏ではじめると強烈な眠気を感じることもしばしば。
また、奏でたものを録音して聞き直すと、自分の呼吸がいかに浅いかがわかります。
つくづく、不思議な楽器です。